すべての IT リーダーが理解しておくべき、エンタープライズ ネットワークに関する 4 つの重要なトレンド

この記事は、Enterprise Networking APJC の Managing Director である Kartika Prihadi によるブログ「Four key enterprise network trends every IT leader needs to understand」(2021/10/7)の抄訳です。

10 年前と比べると、現在のエンタープライズ ネットワークは驚くほどの変化を遂げています。しかも、その変化は加速し続けています。たとえば Gartner 社の予測によれば、クラウドプラットフォームにおける企業のエンタープライズ IT ワークロードは、2020 年から 2023年までの間に世界全体で 2  倍に膨れ上がり 、全ワークロードの 40% を占めると言われています。

これは、エンタープライズ ネットワークの再構築とも言うべき変化の一例にすぎません。そこでシスコは新しい記事の連載により、IT リーダーがこの変化に対応できるよう、エンタープライズ ネットワークを最新化する手段を取りあげていきます。1 回目では、あらゆる企業が取り組むべきネットワークの 3 つの課題について分析しています。2回目では、ポストコロナの時代にすべての IT リーダーが理解しておくべき、エンタープライズ ネットワークに関する 4 つの重要なトレンドについて掘り下げます。

1.ハイブリッドワークという新しい働き方

McKinsey が全世界で行った調査によると、従業員に週に 4 日以上のオフィス勤務を求める経営幹部は、パンデミック前は 99% でしたが 、今やその数はわずか 10% にまで減っています。

オフィスに縛られた従来の働き方から、従業員が自宅やオフィス、またはそれ以外の場所で働くというハイブリッドな働き方に変わったのです。

しかし、ハイブリッドワークに万能なアプローチはありません。同じ調査によると、オフィス勤務時間を以前の 20% またはそれ以下にまで減らせると答えたエグゼクティブが 10 人中 1 人いるのに対し、以前の 21% ~ 50% / 51% ~ 80% のオフィス勤務時間を望んでいるエグゼクティブが、それぞれ 10 人のうち 4 人いたのです。

ただし、ポストコロナの新しい働き方に雇用主と従業員が適応するにつれて、これらの数字は今後変化していくでしょう。

新たな働き方では、リモートアクセスが可能なデジタルワークスペースと、ユーザーに柔軟に対応する物理的なワークプレイスという両面で、柔軟性を確保する必要があります。これはたとえば、高速ワイヤレス接続の完備によるホットデスキングや、稼働率の管理と安全衛生のモニタリングが可能なスマートオフィスなどを意味します。

未来のオフィスの姿は、組織それぞれのニーズによって異なるでしょう。ただ共通して言えるのは、どこからでも簡単に、そして安全に、人とデバイスを繋げる広域ネットワークが必要だという点です。自宅でも、オフィスでも、従業員が常に変わらないユーザーエクスペリエンスを提供できることが重要なのです。

2.分散する未来のアプリ

クラウドへの移行は、今日のデジタルワークプレイスに大切な柔軟性を確保するうえで必要不可欠です。ただし、ほとんどの組織がマルチクラウド戦略に投資している現在、1 つのクラウドサービスだけで済むことは少ないと言えます。

その結果、現在アプリケーションはより広く複数の場所に分散しています。ビジネスプロセスの合理化とサイロ化されたデータの一元化による分析拡大といった企業努力が進むにつれ、アプリケーションは複雑化し、相互がより深く結びついています。

ユーザーがアプリやデータにアクセスする方法も変化しています。その影響は、フィールドワーカーが仕事の管理に使用するモバイルデバイスから、エグゼクティブ用にデータ分析結果をまとめるビジネス インテリジェンス アプリまで、幅広く見受けられます。

高度に分散し、相互に接続されたアプリへの移行は、複雑さを増しただけでなく、エンタープライズ ネットワークに根本的な変化をもたらしました。クラウドは事実上の新たなデータセンターになり、インターネットは新たなイントラネットになったのです。

エンドツーエンドに可視化するニーズが高いのは、ユーザー/デバイス~アプリ間のトラフィックや、アプリ相互間のトラフィック、そして従来型のプライベートネットワーク~インターネット間のトラフィックです。つまり、分析・管理・セキュリティの新ツールへの関心が高まっているのです。

3.ボーダーレス化するセキュリテイの未来

IT リーダーが今特に必要としているのが、従来のオフィスの枠を超えて効果を発揮するネットワークセキュリティのツールと技術です。その例として、ネットワーク セグメンテーション、一貫性のあるポリシー、エンドポイント分析は、企業全体を危険にさらす情報漏洩のリスクを軽減します。

その他人気の高まっているツールとして挙げられるのが、バーチャル プライベート ネットワーク、ソフトウェア デファインド WAN(SD-WAN)、そしてセキュア Web ゲートウェイやクラウドアクセス セキュリティ ブローカーなどのクラウドネイティブ ソリューションです。これらのツールの導入に伴い、アプリ、サービス、データにアクセスするあらゆるデバイスとユーザーを継続的に検証するゼロトラスト ネットワーク モデルの採用が増えています。

しかしながら、さまざまなツールを使用する複雑なエンタープライズ ネットワークは、大量のリソースを必要とします。そこで現れたのが、多くのツールを 1 つのクラウドサービスにまとめる、セキュア アクセス サービスエッジ(SASE)です。この統合サービスは、全社的かつ多層的な保護と WAN エッジ接続を提供します。

4.IT 運用の未来を担う AIOps

その一方で、IT チームの働き方も企業の今のニーズに合わせて変化し続けています。IT 運用、ソフトウェア開発、そしてセキュリティを担当するそれぞれのスタッフが、セキュリティチームと開発チームの間で横断的に結束している例が見られます。

この変化が、俊敏性と効率に優れたチームを生み出しました。しかし、そこにはまだ今日の複雑な IT 環境の管理、保護に関する課題が残されています。それを受けて IT リーダーたちの間で次々に導入されているのが、運用支援用 AI と機械学習によるアプローチ(AIOps)です。

エンタープライズ ネットワークがその規模と複雑さを拡大させる中、AIOps が不可欠な手段として急速に浮上しています。AIOps により、ネットワーク管理およびオーケストレーションの簡素化と自動化や、エンドツーエンドの可視性の改善、トラブルシューティングの迅速化を実現できるからです。

新しい時代を見据えたフルスタックソリューション

IT リーダーにとって、今のこのトレンドに順応していくことは大きなチャレンジと言えます。なぜなら、ネットワークインフラに、次のような新しい機能が必要とされるからです。

  • どこからでも、また簡単かつ確実に人とデバイスをつなぐ広範な接続
  • パブリックネットワークとプライベートネットワークで、高度に分散されたアプリ、デバイス、ユーザーのエンドツーエンドの可視化と、プロアクティブな対応を可能にする分析
  • 従来のオフィスの枠を超えた、ビジネスのデータと資産の保護
  • 複雑なエンタープライスネットワークの管理とオーケストレーションを簡素化し自動化する AI

以上のような機能を実現するには、統合されたフルスタックアプローチをネットワークインフラに取り入れることが近道です。これこそが、ポストコロナの時代に備えたエンタープライズ ネットワーク実現へのアプローチです。

企業ネットワークの再設計をシスコがどのように支援できるかについて詳しくは、Cisco Catalyst フルスタックを活用した変化に即応するセキュアなネットワークをご覧ください。