3時間という長丁場の最後を締めくくる“Cisco プログラマビリティを使いこなす 次世代エンジニア Day” Q&A コーナー / 本音トーク。ここでも予想以上の!多くの質問を頂きました。より良い回答をするために、シスコ社員の他、パネルディスカッションにご参加いただいた横山先生や中野様にもご協力いただき、主催者一同総力をあげて頑張りました!
Q:今の日本の企業では、アプリとインフラや、開発と運用などの組織間の壁を超えるのがとても大変だと感じています。会社としての支援が少なくてイベントに参加する時間を確保できないなどが課題なのですが、今後、企業組織は変わっていくのでしょうか?
Q:シスコさんなどネットワークの企業では、プログラミングスキルを持っている社員をどのように評価されますか?そもそも評価対象になっているのでしょうか。
A:英語もそうですが、プログラミングスキル自体も、業務を効率的にこなすためのスキルという感じでしょうか。英語がどれだけできるからというだけで、社員の評価になるわけではないのと同様に、プログラミングができるだけで評価にはなりませんが、プログラムの経験があったり、得意だったりすると API・SDK でどういう事ができるか直ぐにイメージできるので、API を活用することで提案の幅が広がったり、より付加価値提案をすることができるので、結果としてお客様や周りの信頼を得やすいということに繋がると思います。
Q:今日ご登壇されている方々は本来の専門に加えて、プログラマビリティのスキルを新たに身につけたように見えました。ぶっちゃけ、年収は上がりましたか?
ただ、実態として、年収は、その時々の環境に依存するのが事実だと思います。また、年収とスキルは必ずしもマッチしないケースも多いです。ただ、時代の潮流にあったスキルを身につけることで、年収を上げるための環境に飛び込みやすくなると思います。
Q:全体を通して、インフラ屋さんとソフト屋さんの守備範囲を互いに重ねていくことで新たな可能性を生み出していくような方向性が感じ取れました。今後このような動きがスタンダードとなっていくのでしょうか?
A:はい、そう感じます。例えば、近年新しい職種として SRE (Site Reliability Engineering) といったものが、すでに世の中で職種として確立している通り、これまでの業務運用の形が未来永劫続くということはないと思います。近年のビジネストレンド、技術革新のトレンドから見ても、旧来のネットワークエンジニアではなく、ネットワークオートメーションデベロッパーや DevSecOps エンジニア、クラウドオートメーションエンジニアなど新たな職種の機会が生まれてくると、昨年の DevNet Day のキーノートでも話していたところです。
Q:ネットワークインフラは、まだまだ現実には塩漬けばかりで、自動化やプログラマビリティとは程遠い環境もかなり多いんじゃないでしょうか。今後変わっていくんでしょうか。
A:はい、アプリケーションや、クラウドインフラに比べると、ネットワークインフラに関しての自動化という文脈がまだ定着してない、発展途上なのは事実だと思います。
ただ、現行の運用だけを見るとそうかも知れませんが、今後、より運用を効率化していくことを考えると、一人のオペレーターが多くの機器を管理・運用をするために、自動化の技術というのは必要になってくるでしょう。これは、単にプロビジョニングだけの話ではなく、設定変更、監視、あらゆるものを含む自動化です。
まずは、APIを使って Python や Ansible / Terraform などで設定変更というのがわかりやすいので、設定の自動的な変更 = 自動化に見えてしまったかもしれませんが、それだけではなくネットワークテレメトリーで詳細の情報を取得し続けて、その結果、障害の予兆検知を行うなどが今後、我々が目指すべき世界だと思っています。それらを実現するために、ツールセットとしてプログラマビリティなどソフトウェア開発のスキルが役に立つという風にご理解ください
・APP Meets NW! 垣根を越えて生きていく入門*
・もうネットワークを土管とは呼ばせない!~LAN スイッチで Python だって動いちゃう~*
この2つのビデオで紹介されている「ソフトウェアとネットワーク因果関係や相関関係」がとても参考になるかと思います。ぜひご覧ください♪
Q:シスコに転職するなら、英語は必要ですか?
A:”業務をしていく上では、苦手と思わずにやってやろうという気概があれば、なんとかなると思います。最近は、翻訳のツールもすごく発展しているので、ドキュメントを読むくらいであれば、翻訳ツールとうまく組み合わせて英語は読めますし、まぁ、外資系にいる人も、Google 翻訳や、DeepL は普通に使います。
日本人の方はどうしても日本語のドキュメントを希望される方が多いのは重々承知していますが、情報の1次ソースを読む癖をつけることが最新のテクノロジーを学ぶ上ではとても重要なので、ぜひ、英語のソースを当たる事をおすすめします。
また、英語が普通にできるようになると 年収を上げる武器にもなると思います。”
Q:シスコさんでは、社員が書いたプログラムの著作権で、気を付けていることやルールはありますか?
A:DevNet Code Exchange に社員が書いたサンプルプログラムやオープンソースのコードなどを掲載していますが、著作権・ライセンスは、プログラムのオーナーによって決めているものがほとんどで、コードによって様々です。
社内では、オープンソースの活用とコントリビューションに関しては、ガイドライン、トレーニングもあります。
社員が提供するサンプルコードについては、シスコでは、 Cisco Sample Code Licenses というものを定義しており、こちらを明記することで、サンプルコードの所有権をシスコが保有する形にしているものもあります
https://developer.cisco.com/site/license/cisco-sample-code-license/
Q:社員育成以外で、CMLを使って、課題解決された事例はありますか?
A:シスコの社内でも、ハードウェアに依存しないルーティングプロトコルの検証等で、利用しています。また、CML は外部機器との接続もできますから、CML の外にある、監視機器(例えば DNAC など)や自動化ツール (Terrafrom / Ansible など) を使って仮想環境の設定をするなど、動作検証などに活用しています。
A:複数の社員での共同利用であれば CML の Enterprise バージョンをご利用ください。
Q:DevNet アソシエイトの勉強方法がしりたいです。アマゾン等で参考書ないと思うので。。
A:DevNet のサイトにあるコンテンツが役に立つと思います。 DevNet アソシエイトの試験範囲が明記されたページに、参考になるコンテンツがリンクされていたりしますので是非活用ください。
Q:DevNet 認定の Expert レベルのリリースはいつ頃の予定でしょうか?早く受験したくてうずうずしています!
A:ごめんなさい!未定です。
Q:CCIE Enterprise 試験の学習をしています。従来の CCIE R&S のようなネットワーク学習と、プログラミング学習の優先順位はどうするのが効率が良い/効果的でしょうか。CCIE Enterprise の範囲にもプログラミングや自動化が含まれているので、並行するのが良いのでしょうか
A:CCIE を取得するための学習であれば、資格試験としての対策は、対策として個別にしたほうが良いと思います。試験の blueprint で、範囲を確認した上で、必要なものを学習すべきです。認定資格でカバーされるプログラミングの知識はあくまで基礎ですから、知識として役に立つとは思いますが幅広いプログラミング学習をすべてカバーするわけではないことから、試験のために プログラミング学習だけをするというのは、効率が悪いかもしれません(もちろん学習したことは自身の財産にはなると思います)
Q:DevNet 認定を取得したことで、取得したことによるメリットや仕事内容に変化などはありましたか?
A:Cisco Certified DevNet 認定取得者の特別座談会の記事が参考になるかと存じます。ぜひ御覧ください。
https://learningnetwork.cisco.com/s/article/jp-case-studies-hcs