AppDynamics と ThousandEyes の能力を融合し、最新のデジタルエクスペリエンスをエンドツーエンドで全面的に可視化するソリューションを実現

この記事は、Cisco AppDynamics の戦略的ソリューション セールス エンジニアリング部門のチーフアーキテクト Kamlesh Shah によるブログ「AppDynamics & ThousandEyes Join Forces to Deliver the Most Complete End-to-end Visibility Into the Modern Digital(2020/10/05)の抄訳です。

 

IT 環境の範囲は果てしなく拡大を続けているため、環境の可視化能力もそれに応じて増強していく必要があります。そのような可視化が、AppDynamics と ThousandEyes によってどのように実現されるのかをご説明します。

かつて、ビジネスに必須のアプリケーションやサービスが運用される場所はデータセンターでした。アプリケーションスタック、ネットワーク、インフラストラクチャのすべてを IT 部門が制御していた、比較的シンプルな時代です。

しかし、状況はすでに一変しています。

現在の IT 業界を突き動かしているものは、アーキテクチャの分割と、ハイブリッドやマルチクラウドのアーキテクチャへの移行です。アプリケーションの環境を最新化しようとする動きのため、90% を超える大企業がマルチクラウド アーキテクチャの導入を急いでいます。このアーキテクチャには、オンプレミスの環境とパブリッククラウドのプラットフォームが混在します。また、アプリケーションとサービスは 1 つのデータセンターから複数のデータセンターやクラウドへと移行されて、より分散した形になります。それに伴い、カスタマーエクスペリエンスとビジネスの成長の加速に関して、SaaS アプリケーションとハイブリッドクラウド インフラストラクチャの担う役割がきわめて大きなものとなっています。さらに、ソフトウェア定義型ネットワーキング技術の導入が進んだことから、ネットワークは動的に変化する性質を強めています。

これに加え、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の拡大が続く世界では、「どこからでも業務を遂行できること」がもはや流行ではなく必須条件になっています。企業は、遠隔地への分散が進む働き手に応える形で、シームレスな体験を提供するためのステップアップを迫られています。

問題は、このようなレベルの接続性を提供するためには、IT 部門の管理対象でない数多くの社外のネットワークやサービスについて分析情報も必要になることです。しかもリモートワークが急拡大し、予測不能な変動要因が増加するなど、モニタリングに関する課題をさらに複雑化させています。たとえば、不安定な Wi-Fi、セキュリティ、ソリューション横断型のワークフローといった事項です。

では、ますます複雑で予測不可能になるこれらの環境を IT 部門が可視化して分析情報を得るには、どうすればよいのでしょうか。従来のモニタリング戦略を引き続き活かすことはできるのでしょうか。

従来のモニタリング戦略が新たな世界で失敗に終わる理由とその対応策

IT 環境の範囲が果てしなく拡大していくことを考えていくと、新たな現実が浮き彫りになります。SNMP、PCAP、フローベースのメカニズムを使用する従来の監視ツールでは、企業の外では何の反応も示しません。サイロ化されたツールや、際限なく続くトラブルシューティングでは、新たな現実の全体像を把握することはできません。従来のツールでは、制御できたりできなかったりする、あやふやで不完全な状況しか確認できません。

その結果、何が起こるでしょうか。

果てしない戦略会議、意味のない責任追及、問題解決までの平均時間(MTTR)の増加、サービスレベル契約(SLA)やサービスレベル目標(SLO)違反などが引き起こされることになります。顧客満足度、自社ブランド、そして最も重要な収益に甚大な影響を及ぼすことは、言うまでもありません。

幸運にも、デジタルエクスペリエンスの制御を取り戻したいと考える IT リーダーのためのソリューションがあります。それは、実績のある業界屈指のソリューションであり、いずれもシスコが提供する、AppDynamics ThousandEyes です。

AppDynamics と ThousandEyes を組み合わせることで得られるメリット

AppDynamics と ThousandEyes を組み合わせることで、サイロ化された従来のツールの不足部分を補うだけでなく、ユーザがどこにいるかに関係なく、アプリケーションの配信、パフォーマンス、ビジネス指標の KPI など、アプリケーションのエクスペリエンスをプロアクティブかつ包括的に捉えることも可能になります。この点を実際の状況に当てはめて確認するため、2 つの使用例で確認してみましょう。

使用例 1

問題:IT の責任範囲は変化を続けている。課題を常に事前に把握するため、より多くの情報を確認できるようにしたい。

解決策:インターネットとハイブリッドクラウドの可視化

今日の企業は、リソースがグローバルに分散していたり、サードパーティの API サービスを利用しているなど、エコシステムに組み込まれている複数の外部エンティティを利用しています。そのため、エンドユーザのエクスペリエンスやサービスを完全に可視化できないという課題を抱えています。これらのエンティティは企業が管理できる領域内にないことから、IT 部門としての成果を上げるうえでは、問題特定までの平均時間(MTTI)が重要な指標になります。ところが、デジタルエクスペリエンスに関わる環境すべてを網羅的に捉えることができなければ、この指標は常に伸び悩みます。

ここで救世主となるのが、AppDynamics と ThousandEyes にって実現するインターネットとハイブリッドクラウドの可視化です。

グローバルなインターネットの視点からエンドツーエンドで環境を詳細に可視化できるため、エンドユーザ エクスペリエンスのモニタリングに携わるチームは、特定の ISP またはクラウドベースサービスの特定の障害に起因する課題をトラフィックの経路に沿って特定できます。サードパーティと迅速に連携して、それらの障害箇所を迂回する形で再ルーティングするといった対処が可能になります。

使用例 2

問題:デジタルエクスペリエンスの基幹コンポーネントを SaaS ツールで実装している企業が増加し、それらの環境のモニタリングについては、事実上のブラックボックス化している。

解決策:死角を排除する SaaS エクスペリエンス モニタリング

昨今は、従業員と顧客のデジタルエクスペリエンスの一環として、あらゆる企業がミッションクリティカルな SaaS サービスを運用しています。このような環境でカスタマーサービスの重要な要素となるのが、可視性とアカウンタビリティです。

その一方で、SaaS の採用はますます増加傾向にあります。Gartner 社の『Market Guide for Digital Experience Monitoring』(デジタルエクスペリエンスのモニタリングに関するマーケットガイド)に示された予測によれば、2019 年には、「クラウド支出の 44% が SaaS に割り当てられます。これはインフラストラクチャとオペレーション(I&O)担当チームにとって、カスタマーエクスペリエンス、収益、ブランド評価に影響しかねない可視化の問題の原因となります」とされています。SaaS によってもたらされるこの厄介な死角が IT スタックに存在していれば、エンドユーザのエクスペ
リエンスが影響を受けます。この死角が小さくなることはありません。したがって、SaaS 体制の特定部分に潜む問題を洗い出すための策を講じる必要があります。
ThousandEyes には、マルチクラウドのエコシステムにおける SaaS のエクスペリエンスをモニタリングするための多彩なオプションが用意されています。エンタープライズとリモートのロケーションにわたってエンドユーザに提供される、さまざまな SaaS アプリケーションのエクスペリエンスを可視化できます。

今が包括的な可視化の好機である理由

最新のアプリケーションを展開する環境やマルチクラウドネットワークの多くは、企業による管理の対象範囲にありません。そのため、多種多様なネットワークの問題が生じる可能性があります。従業員や顧客のデジタルエクスペリエンスのビジネスへの影響と、IT 部門によるモニタリングとの間にはギャップが存在しています。これは、成長を加速し、リソースを最大限に活用したいと考える企業にとって、重大な課題となっています。

AppDynamics は ThousandEyes とともに、ネットワークとアプリケーションの運用チームとの協力体制を可能にすることで、MTTR を短縮してこの問題が解決します。さらに、ビジネス指標、アプリケーション パフォーマンス指標、網羅的なネットワーク関連指標の相関関係を分析し、事業部門のユーザが関心を寄せるデータを導出します。

Kamlesh Shah
Kamlesh は、AppDynamics の戦略的ソリューション セールス エンジニアリング部門でチーフアーキテクトを務め、各種のネットワーク技術のほか、クラウドとアプリケーションのパフォーマンス モニタリング システムに関しても豊富な経験を持つ技術者です。グローバル企業に加え、あらゆる規模の
サービスプロバイダーとも連携して、お客様のビジネス課題
や技術課題の解決に取り組んできました。Cisco Certified Internetwork Expert(CCIE)の資格を 15 年以上にわたって
保持し、数々の業界イベントでシスコやエコシステムパートナーを代表して活動する日々を送っています。

 

内田 雅彦

1985年に日本ディジタル・イクイップメント(現・日本ヒューレット・パッカード)に入社、1994年より日本オラクルでERP製品マーケティングディレクターを務め、2004年 加コグノス社の日本地区副社長、2006年 インフォマティカ・ジャパン 代表取締役社長 2010年 ヴォコレクト・ジャパン(現・ハネウェル・ジャパン)代表取締役社長を歴任の後、2014年 アップダイナミクス ジャパン合同会社 カントリーマネージャーに就任。2017年 シスコシステムズによる同社の買収を経て現在に至る。