HyperFlex Application Platform の登場

この記事は、Cisco HyperFlex プロダクトマネジメントのシニアディレクターである Vijay Venugopalによるブログ「Introducing the HyperFlex Application Platform(2020/2/29)の抄訳です。

アプリケーションモダナイゼーションに際してお客様が求めること

アプリケーションはこれまで以上に分散され、複雑になっています。IDC社のレポートによると、新規開発される企業向けアプリケーションのうち、クラウドネイティブの割合は 2022 年までに 90% に達する見込みです。同じレポートは、2023 年までに 5 億を超えるデジタルアプリケーションとデジタルサービスが開発され、クラウド前提で展開されると予測しています。これらのアプリケーションの中心にあるのは、業界固有のデジタル変革が生み出す新たなユースケースです。※1

実稼働環境でコンテナと Kubernetes を実装しているお客様に話を伺ったところ、各社に共通する主な要件は次の 3 点でした。

  • 俊敏性:アプリケーションの開発や展開のスピードを向上できる、DevOps に焦点を当てたプラットフォームであること
  • シンプル:インストール、アップグレード、管理、監視が簡単であること
  • 経済性:クラウドネイティブのコスト効率により、運用コストとライセンス費用を削減できること

シスコでは以上の点を踏まえた上で、まったく新しいアプリケーションモダナイゼーションプラットフォームを開発しました。それが Cisco HyperFlex Application Platform(HXAP)です。

Cisco HyperFlex Application Platform の登場

Cisco HyperFlex Application PlatformHXAPは、統合型の CaaS(Container-as-a-Service、コンテナ オーケストレーション)プラットフォームです。クラウド、データセンター、エッジ全体における Kubernetes のプロビジョニングと継続的な運用を簡素化します。HXAP は厳選されたオープンソースツールを備えており、反復作業を自動化し、フルスタックのライフサイクル管理を実現します。IT 部門と DevOps チームにとっては、マルチクラウド環境全体におけるアプリケーションのイノベーションを、Kubernetes を介して加速させることができます。さらに、AppDynamicsCisco Intersight を追加すれば、インフラスタック内でアプリケーション全体のモニタリングと最適化を実現できます。

Cisco HyperFlex Application Platform には、主に次のような強みがあります。

  • コンテナを活用したクラウドサービス:IT 部門から開発者に CaaS が提供可能になり、DevOps を実現
  • ターンキーソリューション:プロダクショングレードのクラウドネイティブ アプリケーションを実行可能な Kubernetes プラットフォームを統合
  • クラウドからの管理:インフラと Kubernetes クラスターを Intersight SaaSで管理
  • 経済性:クラウドネイティブ アプリケーション用にサードパーティ製ハイパーバイザーライセンスを購入するというコスト高騰要因を排除
  • 将来にわたって投資を保護:現在だけでなく、将来のワークロードもサポート

俊敏性:DevOps に主眼を置いた CaaS プラットフォーム

お客様が求めているのは、開発チームと運用チームに共通する運用モデルです。そこで役立つのが、マルチクラウド環境間でのクラウドネイティブ アプリケーション開発を一本化できる Kubernetes です。ただし IT チームがプロダクショングレードのコンテナプラットフォームを確保するには、Kubernetes の採用以上のことが求められます。コンテナネットワーク、ストレージ、ロードバランシング、サービスメッシュ、ロギング、モニタリング、およびレジストリサービスを統合する必要があるからです。これらの各要素はオープンソースまたはベンダー提供の完全独立したパッケージであり、個別にインストール、アップグレード、管理する必要があります。DevOps チームと IT チームにとっては頭の痛い問題だと言えます。

HXAP は、フルスタックのコンテナプラットフォームを統合することで問題を解消します。このコンテナプラットフォームを支えるのは、HyperFlex ハイパーコンバージド インフラストラクチャ(HCI)システムと緊密に統合された、ネイティブアップストリーム版の Kubernetes です。HXAP は Kubernetes だけでなく、ネイティブ コンテナ ネットワーキング、コンテナストレージ、イングレス、L7 ロードバランサー、ロギング、モニタリング、コンテナレジストリ、そしてサービスメッシュも統合します。これらの統合により、クラウドネイティブ アプリケーションの開発に必要な機能をすべて備えたプラットフォームが実現したのです。つまり、各要素が統合され、実稼働対応のエンタープライズコンテナとしてセキュリティなどが強化されたのが HXAP です。簡単なインストールとアップグレードを可能にすることで、統合されたライフサイクル管理を実現し、運用性を大幅に改善します。アップストリーム版 Kubernetes や最新バージョンとの 100% 準拠により、一環したマルチクラウド開発を実現できるのも HXAP の特徴です。

IT インフラチームにとっての HXAP のメリットは、オンプレミスで社内アプリケーションをコンテナ運用できることです。DevOps チームにとっては、HXAP により CaaS を実装できることがメリットです。

シンプル:インストール、アップグレード、管理、モニタが簡単

Cisco Intersight は、UCS や HyperFlex などのインフラをインテリジェントに管理できる業界初のクラウドベース SaaS プラットフォームとして、インフラ管理を変革してきました。クラウドベースという性質上、どこからでもインフラを管理可能な環境を構築し、管理を大幅に簡素化できるからです。

シスコでは Intersight のイノベーションを精力的に続けてきました。
その結果、新しい HyperFlex Application Platform も管理可能となりました。これは運用のさらなる簡素化に貢献します。Intersight に追加された新しい機能により、どこからでも HXAP インフラをインストール、アップグレード、そして運用できます。しかも Intersight では仮想マシンとコンテナの管理・監視機能も追加されており、クラウドからの Kubernetes クラスタの作成、拡張、アップグレードを可能にします。他にも、モバイルデバイスからグローバルインフラとコンテナを監視、管理できる Intersight Mobile App が追加されました。

経済性:運用コストとライセンス費用の削減

HyperFlex では以前まで、Kubernetes のワークロードをホストする際にサードパーティ製ハイパーバイザーが必要でした。しかしお客様にとっては、クラウドネイティブ アプリケーションの導入時に不要な費用が発生し、負担となっていました。

ハイパーコンバージェンスを拡張した HXAP では、HyperFlex のアーキテクチャ フレームワークが強化されています。これにより、サードパーティ製ハイパーバイザーのライセンス料金やサポート費用といった追加負担を発生させず、Kubernetes のワークロードをネイティブでホストできます。

HyperFlex が開発された目的は、インストール、運用、メンテナンスといった複雑なプロセスを簡素化させることでした。この目的は、Kubernetes とコンテナ展開を使った新アプローチでも活かされています。その成果が、運用コストをさらに削減する、コンテナ用のシンプルなクラウド管理型プラットフォームです。シスコがフルスタックサポートを「単一窓口」として提供していることも、同じ理由です。HXAP はターンキーソリューションとしてコスト効率を向上させ、大規模環境での導入と運用を可能にします。

お客様に重点を置いた、アプリケーション中心の製品

お客様が求めているのは、アジャイルかつシンプルで、経済的なアプリケーション近代化プラットフォームです。新しい Cisco HyperFlex Application Platform は、運用を簡素化し、ライセンスの追加負担を軽減できるターンキーの CaaS プラットフォームとして、そうしたお客様のニーズに応えます。HXAP は将来を見越した設計になっているため、今後サポートが必要になるワークロードにも後続リリースで一貫して対応していきます。

HyperFlex Application Platform や、新たに発表された Intersight Workload Optimizer などの革新的な製品は、アプリケーションの近代化とデジタル変革に大きく役立つことでしょう。

詳細については https://cisco.com/jp/go/hyperflexap をご覧ください。

シスコの最新情報についてはブログをご覧ください。

出典:

  1. IDC FutureScape: Worldwide IT Industry 2020 Predictions、2019 年 10 月
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石田 浩之

2004年末にシスコに入社し、大手法人のハイタッチセールスを担当。2007年後半からデータセンター/クラウドアーキテクチャーのセールススペシャリストとして通信事業者や大手法人のお客様向けのデータセンターの変革、最適化に従事。その後、データセンター/クラウドアーキテクチャーチームの日本のリーダーを担当し、2021年からグローバルエンタープライズ企業を担当するハイタッチセールスチームをリード。趣味はゴルフ、旅行。