2019年、ビデオ会議 最新技術 その2 音声技術

2019年、会議は遠隔からの参加者を考慮しなくては、さまざまな働き方に対応できなくなってきています。みなさんの会議環境は、PC 同士の遠隔会議はもちろんのこと、会議室同士、あるいは会議室で開催されている会議への PC からの参加に配慮できていますでしょうか?シスコのビデオ会議製品の最新機能解説の第 3 回は音声技術編となります。製品の全体像は第1回の投稿をご参照ください。

Cisco Webex Room シリーズに代表される最新のビデオ会議製品では、遠隔の相手に対して自然な会話を演出するため、各種機能が搭載されています。ビデオ会議は、第2回でご紹介したような映像技術に目を奪われがちですが、聞き取りやすい音声なしにスムーズなコミュニケーションはできません。昨今では、ハドルスペースのように、オープンエリアにもビデオ会議製品を設置する例が増えてきています。これらの場所でもより一層自然な会話に、そして、専門家がいなくても「使える技術」に、シスコは会議環境を提供しています。

内蔵スピーカー

Cisco Webex Room シリーズにはスピーカーを HDMI 経由でディスプレイ出力するのではなく、カメラと一体型になったスピーカーを利用するものがあります。昨今のディスプレイの種類によっては、音声品質が良くないものもあり、またビデオ会議に最適な音声は何かを考えた結果、ビデオ会議製品側にスピーカー機能を搭載しています。これにより、着信音がディスプレイが電源オフだから聞こえないということもなく、そして何よりよりクリアで明瞭な音声を再生することができます。

一方でカメラユニットにスピーカーを内蔵するには技術的なチャレンジがあります。それは、音の振動によってユニットが揺れてしまうことです。これを防ぐため、スピーカーをバランスよく配置し、音の再生によるバイブレーションを打ち消しあうように Cisco Webex Room Kit シリーズでは設計しています。

マイク

シスコのビデオ会議で利用されるマイクには大きく分けて内蔵のものと外付けのものがあります。

内蔵マイクには、それぞれの端末の特性に合わせ、 Cisco Webex Room Kit Mini や Cisco Webex Board のように指向性マイクを持ち、オープンスペースであっても背景ノイズを拾わない設計になっているものがあります。Cisco Webex DX80 では置き場所に合わせたマイクの設定が可能です。

Room Kit Mini 集音範囲

外部マイクや Cisco Webex Room Kit の内蔵マイクはあえて指向性を持たせないことにより、会議室の音声を漏れなく広く取れるように設計されています。Cisco Table Microphone は、 周囲に4名の参加者が 1.5 m の範囲内に座っているケースに最適化されるよう設計されています。

Table Microphone 集音範囲

また、天井に設置するマイクとして、 Ceiling Microphone も提供させていただいてます。こちらは、マイクのフロント側から 4m の範囲内の集音に最適化しています。オープンスペースや、オーディトリウム(講堂)や大きな会議室において、参加者がマイクを意識することなく話し、それをリモートの参加者に確実に伝えることができます。テーブルの上にマイクを置く必要がないので、断線などによる故障や、利用者による移動を防ぐことができます。 Ceiling Microphone は、現行すべての外部マイクをサポートする機種で利用可能です。

Ceiling Microphone 集音範囲

音声コーデック OPUS

シスコのビデオ会議製品は、音声のデータ化に関して  IETF で標準化された 、RFC 6716 OPUS コーデックを採用しています。 OPUS の大きな特徴として、高品質な音声を、インターネットのような遅延やパケットロスが不確実な環境でも届けることができる点があります。OPUS は Webブラウザでのインタラクティブメディア標準であるWebRTC 技術でも採用されているため、ビデオ会議端末と WebRTC 間の通話時に遅延を増やす音声のトランスコード(変換)をしなくても良いという利点があります。シスコは クラウドの会議製品である Cisco Webex、オンプレミスの会議製品であるCisco Meeting Server 、そして企業向け電話機 Cisco IP Phone と Cisco Jabber 、 Cisco Webex Teams などのソフトウェア製品に OPUS を採用しています。

OPUS コーデックと他既存コーデックとの比較は http://opus-codec.org/comparison/をご参照ください。

学習するノイズ削減機能  (KeyClickDetector)

会議中にリモートから大きなキーボードの音が聞こえてくることはないでしょうか? Cisco Webex Room シリーズは ノイズ自動抑制機能により、会議室で発生するノイズ(キーボードの音や紙の擦れる音など)を低減することができます。

Cisco Headset 500 シリーズ (Cisco Webex DX80)

オープンスペースや小さな個室に Cisco Webex DX80 を設置し、個人がビデオ会議をする場合に、 Cisco Headset 500 シリーズを組み合わせ、最適な音声を提供することができます。 Cisco Headset 500 は OPUS などの高品質音声に最適化し、 ミュートやボリュームコントロール、発信、切断といった動作をコントローラから実施することができます。シスコがシスコの機器のために技術を集め開発したヘッドセットになります。

製品対応

簡単ですが、現行製品の機能対応表をつけておきます。

製品名 内蔵スピーカー 内蔵マイク 外部マイク ノイズ削減機能
Cisco Webex Room Kit Mini
Cisco Webex Room Kit
Cisco Webex Room Kit Plus – Quad Camera
Cisco Webex Room Kit Plus – Precision Camera 60
Cisco Webex Room Kit Plus – PTZ-12
Cisco Webex Room Kit Pro – Quad Camera
Cisco Webex Room Kit Pro – Precision Camera 60
Cisco Webex Room 55
Cisco Webex Room Kit Dual
Cisco Webex Room 70 Single
Cisco Webex Room 70 Dual
Cisco Webex Board 55S
Cisco Webex Board 70S
Cisco Webex Board 85S

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岩岸 優希

ソリューションズ システムズ エンジニアリングに所属するテクニカルソリューションズアーキテクト (TSA)。Cisco Unified Communications Manager および Cisco Jabber などのコラボレーション製品を担当。

シスコへは 2001年 4月に新卒として入社。日本市場向け製品開発を主としたアライアンスによる共同開発、VoIP 相互接続などに携わった後、現在はソリューション開発を担当。

誰も触っていない新しいソリューションに挑戦することがモットー。

北海道出身、大学では応用数学を専攻。趣味は中国語会話、東直己さんの小説を読むこと。

Blog アドレス : http://cs.co/yiwagish

テクニカルソリューションズアーキテクト(TSA)についてテクニカルソリューションズアーキテクト(TSA)とは、シスコの中で技術系のスペシャリストとして

認定されたシステムズエンジニアにのみ与えられる称号です。

TSA はそれぞれが専門とする技術領域を持ち、高度化・複雑化するお客様のシステムの提供に貢献するのみならず、

課題解決に役立つ先進的なアーキテクチャを構築、シスコパートナーエンジニアとともに業界内外へ展開することを目指している技術者達です。