Cisco Spark / Cisco Tropo コラボレーション API その 1

シスコのコラボレーション製品では、開発者向けのインターフェイス API によるイノベーションを促進しています。去る 6月27日には、開発者向けの API ハンズオン トレーニング イベント「Cisco Spark / Tropo API トレーニング 」を開催し、電話向けの API である Cisco Tropo と グループ コラボレーション ツールである Cisco Spark の API を紹介しました。実際に API に触れる機会となったこのイベントには、80名を超える参加者にお集まりいただきました。その内容をブログで紹介していきたいと思います。

コラボレーションでの API とは?

いま、多くのコラボレーション ツールがクラウド化しています。同時に、閉じた世界から、開かれた世界へと変わってきています。公開された API を利用することで、既存のコラボレーションの仕組みと連携させることができ、どこからでもツールにアクセスできるほか、必要なアプリケーションや既存ツールのとの統合が可能になっています。

ただし、今までの API の場合、後付けで目的を持って公開されるものが多く、今までなかったアイディアを実現するために必要な機能が含まれていないというケースもあります。

Cisco Spark/Tropo のAPI では、より簡単にアクセスできるように Web でよく使われる REST をベースに API を構築しています。 電話やコラボレーションツール専用の方法ではないため、 Web の開発者は簡単にコラボレーション API の世界に入ることができます。

そして、標準的な API により、built.ioIFTTTZapier などの既存インテグレーションサービスで、他クラウドサービスとの連携が簡単にロジックを並べるだけで実現できます。

Cisco Tropo の API

Cisco Tropo は電話の公衆網(公開されている電話番号)を使って、電話アプリケーションを実装できるプラットフォームです。Web の開発者は、使い慣れた HTTPS/Node.js/Ruby/PHP を使ってアプリケーションを開発できます。

さらに電話の機能を実行するには 「Say」「Ask」などお馴染みの動詞で命令を書くことができます。

実際のコードは下記になります。処理は簡単にいうとこのような感じです。音声ファイルを用意することなく、文字を音声で出力することができます。

これは、

電話を受けて営業的な問い合わせであれば [Sales]というか”1”を押してください。サポートの問い合わせであれば[Support]というか”2″を押してください。

という内容になります。つまり、前者であれば「あなたのお金は私たちにとって大切です」、後者であれば「通話は無視されます」と音声で案内が流れます。

Cisco Spark の API

Cisco Spark はグループでのコラボレーションを部屋(会議室)という単位で実施できます。これらのクライアントアプリケーションで操作する内容は API で操作可能です。

Cisco Spark の API には、いわゆる API/SDK だけでなく、ワンクリックで実行可能な「統合」やロジックも交えて連携できる「アプリ統合サービス」も利用できます。

 

https://web.ciscospark.com/ で Cisco Spark にログインすることでワンクリックの統合サービスを選び、他アプリと連携可能です。

API としてはユーザの操作をする /people 、部屋のメンバーを操作する /memberships 、部屋を操作する /rooms とメッセージを操作する /messages が提供されています。今後、操作可能な API を増やしていく予定です。

Cisco Cloud Collaboration プラットフォーム

シスコでは、Cisco Tropo /  Cisco Spark の開発者向けのサービス Cisco Spark for Developers を展開しています。ここでは、この 2 つのコラボレーション関連クラウド型サービスの API について、開発者向けのドキュメントの提供、 および Cisco Spark の部屋を使った質疑応答に対応しています。開発者の皆様、ぜひご活用ください。優れたアイディアには、ファンドの提供も企画しています。

今回のイベントでご説明した API の概要を録画した WebEx 録画 を公開していますので、ぜひ、ご覧ください。また開発者向けの情報については、http://developer.ciscospark.com/ も併せてご覧ください。次回は、実際の利用シーンを紹介します。

 

岩岸 優希

ソリューションズ システムズ エンジニアリングに所属するテクニカルソリューションズアーキテクト (TSA)。Cisco Unified Communications Manager および Cisco Jabber などのコラボレーション製品を担当。

シスコへは 2001年 4月に新卒として入社。日本市場向け製品開発を主としたアライアンスによる共同開発、VoIP 相互接続などに携わった後、現在はソリューション開発を担当。

誰も触っていない新しいソリューションに挑戦することがモットー。

北海道出身、大学では応用数学を専攻。趣味は中国語会話、東直己さんの小説を読むこと。

Blog アドレス : http://cs.co/yiwagish

テクニカルソリューションズアーキテクト(TSA)についてテクニカルソリューションズアーキテクト(TSA)とは、シスコの中で技術系のスペシャリストとして

認定されたシステムズエンジニアにのみ与えられる称号です。

TSA はそれぞれが専門とする技術領域を持ち、高度化・複雑化するお客様のシステムの提供に貢献するのみならず、

課題解決に役立つ先進的なアーキテクチャを構築、シスコパートナーエンジニアとともに業界内外へ展開することを目指している技術者達です。