(実験室)コラボレーション製品 インストール作業の自動化

シスココラボレーション製品のインストールでは、ユーザ名・パスワード、ネットワーク、クラスタ構成など多くの情報を入力します。今回はその作業を自動化してくれるツール Cisco Unified Communications Answer File Generator をご紹介します。

シスコのコラボレーション インフラ製品を設置する際に下記の Linux ウィザード画面と対話して作業されたことはありませんでしょうか?

インタラクティブでわかりやすく、設置するサーバが一台や二台であれば入力も手間ではありません。ただ、何度も聞かれるため作業の効率はあまりよくありません。

これらの入力項目を事前に抽出し、自動化するのが Cisco Unified Communications Answer File Generator(AFG)になります。AFG は Web サイトに情報を入力することで設定ファイルを生成します。 Cisco Unified Communications Manager をはじめとした多くのコラボレーション製品に対応しています。

http://www.cisco.com/web/cuc_afg/index.html

利用の仕方は簡単です。製品を選択した後、入力項目を埋めていきます。インストール途中や直後に入力する項目ばかりですのでで値に迷うことはありません。

最後に「Generate Answer File」をクリックします。ファイルの保存方法の指示が書かれたウィンドウが開きますので「Download File」をクリックします。

XML が表示されますが、制御文字などのゴミを削除するため、ソースを表示モードに切り替えます。

ソースを全選択し、コピーします。

 

 

 

コピーしたテキストをエディタで編集し、platformConfig.xml というファイル名で保存します。

例: vi platformConfig.xml

次にこの platformConfig.xml を仮想フロッピーファイルに変換します。変換の方法とツールは下記の Wiki にまとまっています。

http://docwiki.cisco.com/wiki/How_to_Use_the_AFG_with_the_Virtual_Floppy_Drive

Windows の場合は Winimage(http://www.winimage.com/download.htm) をダウンロードし、 File メニューから「New」を選び、 1.44 MB の仮想フロッピーを新規作成します。先ほど生成したplatformConfig.xml をコンテンツにいれ ます。

Virtual floppy image 形式で保存します。

次に、作成した仮想フロッピーファイルを vSphere Client でデータストアにアップロードします。

一般的な Cisco Unified Communications Manager と同じように OVF テンプレートを展開し、 CD/DVD にISO ファイルを指定します。 それに加え、先ほどアップロードした vfd ファイルを仮想フロッピーディスクとして追加します。

この状態で仮想マシンを起動します。「起動時に接続」を選ぶとフロッピーファイルをブートディスクとして読み込もうとして失敗します。 BIOS 画面でブートの優先順位を変えるか、ブート後すぐにフロッピーファイルを接続することで自動インストールが始まります。

 

いかがでしたでしょうか? “Answer File” にインストール作業を任すことで時間を削減することができます。 今回紹介した方法は大規模展開でクラスタの Cisco Unified Communications  Manager を展開する際に役立つはずです。セットアップ作業の時間削減にご興味がある方は、ぜひ一度 Answer File Generator をお試しください。

 

参考 URL

 

岩岸 優希

ソリューションズ システムズ エンジニアリングに所属するテクニカルソリューションズアーキテクト (TSA)。Cisco Unified Communications Manager および Cisco Jabber などのコラボレーション製品を担当。

シスコへは 2001年 4月に新卒として入社。日本市場向け製品開発を主としたアライアンスによる共同開発、VoIP 相互接続などに携わった後、現在はソリューション開発を担当。

誰も触っていない新しいソリューションに挑戦することがモットー。

北海道出身、大学では応用数学を専攻。趣味は中国語会話、東直己さんの小説を読むこと。

Blog アドレス : http://cs.co/yiwagish

テクニカルソリューションズアーキテクト(TSA)についてテクニカルソリューションズアーキテクト(TSA)とは、シスコの中で技術系のスペシャリストとして

認定されたシステムズエンジニアにのみ与えられる称号です。

TSA はそれぞれが専門とする技術領域を持ち、高度化・複雑化するお客様のシステムの提供に貢献するのみならず、

課題解決に役立つ先進的なアーキテクチャを構築、シスコパートナーエンジニアとともに業界内外へ展開することを目指している技術者達です。