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シスコ派遣記10 (最終回)~働き方は変えられる~

- 2017年3月16日 3:00 PM

本ブログで最終回となります。今回は、先日行われた社内イベント「I&C Week」の簡単な報告と、シスコでの1年間の派遣を終えるにあたって、今どのように感じ、何を思うのかについてご紹介したいと思います。

 

“インクルージョン & コラボレーション”

cisco-dispatched-10-changing-how-to-work-fig01先日、シスコで「I&C Week」という名称で、1週間社員が Inclusion & Collaboration(I&C)について自ら考え、学び、議論する社内イベントが開催されました。シスコでは、様々な個性、性別、文化、国籍、年齢、経験を持つ人財が全ての力を発揮し、その多様性を生かすことで、新しい価値創造に繋げていくInclusion & Collaboration(I&C)という考え方を最重要経営戦略のひとつとして位置づけており、社員の自発的課題認識に基づく啓蒙を促進し、社員満足度をより高めていくとともに、シスコの理念や経験を社外に向けて発信していく取組を行っています。

今回の I&C Week キックオフ イベントでは、京都府において経営品質の観点から働き方改革を促進し、昨年、シスコと京都府で共同実施した「京都府 TP(テレビ会議システム)活用実験」を現場で牽引された政策企画部企画総務課を代表して、田中輝子参事をお招きし、京都府の働き方改革の取組やその知見やノウハウ、そして女性の公務員として長年お勤めの中で感じておられること等についてご講演いただきました。基調講演には 230 名を超える多くの社員の方にご参加いただき、リアルな公務員の働き方の現状や課題を知る機会となるとともに、シスコの柔軟な働き方や働き方改革を改めて振り返るきっかけとなり、とても大盛況で学びの多いキックオフイベントになりました。

cisco-dispatched-10-changing-how-to-work-fig02また、私も少し時間をいただき、シスコの柔軟な働き方を1年間体験して、何が一番驚いたのか、また何が今までの働き方と違っていたのかといったことを中心に、新たな気づきや学びについてお話しさせていただきました。講演後、ある社員の方から「シスコで長年働いていると、今の働きやすい環境が当たり前になり、働きやすさの有り難さのようなものが見えにくくなるので、こういった話は新鮮で、シスコの働きやすさを再確認する機会になった」とおっしゃっていただき、改めて「働きやすさ」というものが、当たり前にあるものではなく、恵まれていることなのだと感じました。

 

シスコの柔軟な働き方を体験して

昨年 4月に京都府からシスコへ来て、はや 1年が経とうとしていますが、恥ずかしながら、1年前は「シスコ」という会社のことも知らなければ、「働き方改革」という言葉にもあまり馴染みがなく、何の先入観もないまま真っ白な状態でシスコへやってきました。今振り返ると、そのおかげもあって、シスコの柔軟な働き方の素晴らしさを自然と感じ取ることができたとともに、テレビ会議や WEB 会議、チャット ツールといった新しいテクノロジーに素直に向き合うことができ、体験を重ねる中で自然と自分の中の意識改革へと繋がっていったのだと感じています。着任した当初は、今までの働き方や働く環境とあまりに違っており、毎日が驚きの連続で、なかなか慣れるまで時間がかかりましたが、徐々に働きやすさの恩恵を感じるようになり、働き方改革の重要性や必要性に気づかされるようになりました。特に、今まで目の前の仕事に追われ、働き方を変えることの意義も必要性も感じていなかった自分にとって、「働き方改革」という概念に気付けたことは非常に大きな収穫でした。cisco-dispatched-10-changing-how-to-work-fig03

シスコの柔軟な働き方を体験する中で、「時間の有限性」についても考えさせられました。それは、最先端のITツールを駆使することで、移動時間の削減やコミュニケーションの簡素化等によって物理的に新しい時間を創出しているということももちろんありますが、それ以上に「与えられた時間の中でいかに生産性を高め、質の高いアプトプットを出すのか」といった今までの自分の時間の使い方や仕事の進め方について見直すきっかけになりました。ツールを使うことで、より作業効率や生産性を高めることが出来れば、ツールは必要であるし、ツールを使っても結果が同じであれば、それは不要なものになってしまいます。つまり、ツールはあくまで手段でしかなく、どのように使いこなすかが問われており、時間の価値を認識し、限られた時間の中でどれだけ生産性を高め、質の高いアウトプットを効率的に生み出せるのかに尽きるのだと感じています。最近、よく耳にする長時間労働の削減についても、単に残業時間を減らすという量の部分のみに注力しがちですが、一人一人の仕事の生産性を上げるという質の部分に着目して改善することも必要なアプローチの一つなのかもしれません。

また、シスコでは「社員の幸福感」という観点を非常に大事にしており、働き方改革を追求することでワークライフバランスを実現しています。シスコの社員の皆さんを見ていて思うのは、そういった働きやすさの恩恵を単に享受するだけではなく、働きやすさの分だけ、きちんと作業効率を上げ、生産性を高めており、それが会社と社員の信頼関係向上に寄与しているということです。働き方改革というと、どこか曖昧で分かりづらいものになってしまいがちですが、シスコのように「なぜ働き方を変えるのか」「働き方を変えて何を生み出すのか」といった問いに対して、明確な答えを持ち、その結果を出し続ける姿勢が重要なのだと実感しています。

 

自治体における働き方改革

この1年間、シスコでいろいろな気づきや学びを得る中で、自治体での働き方をどのように変えていくべきなのかといったことを考えるきっかけにもなりました。シスコの働き方改革はツールだけに頼ったものではなく、組織風土やカルチャー、制度すべてを一体的に改革したものであるとともに、在宅勤務といったテレワークも日常的に実践されており、世の中がこういった働き方になれば良いなと思う反面、同じことを京都府のような自治体でできるのかと言われれば、なかなかハードルの高いことだとも感じています。やはり、自治体特有の組織風土や制度、業務プロセスを鑑み、できること・できないことの棲み分けを行い、自治体に適した働き方改革を見出す必要があるのだと思っています。

もちろん「民間企業だからできる」という考えもありますが、働き方改革が生産性向上やイノベーションの創出に繋がり、多くのプラスの相乗効果を生み出している事実があります。どのようにすれば、自治体というフィールドでそういったプラスの効果を引き出せる働き方改革ができるのかといったことを考え始めることが非常に大切なのだと感じています。一方で、公務員という全体の奉仕者である以上、自分たちが働きやすくなったということだけでは説明がつかないというジレンマもあります。やはり、働き方改革を進めることで、何かどう変わり、どのように府民の皆さんに見える形で還元できるのかを説明する必要があるのだと感じています。それが自治体において働き方改革を実現するための大きな課題の一つなのだと思います。

また、近い将来、どの自治体においても職員の数が減少していくことが予想され、優秀な人材を確保し、行政サービスの質を下げないことが求められるとともに、これから起こりうる予想もできない多様な行政課題に対して、臨機応変にスピード感を持って対応していかなければなりません。そのような中で、新しいテクノロジー(テレビ会議や AI 等)を活用した働き方やテレワーク(モバイルワークや在宅勤務等)は必要不可欠な要素になってくるのかもしれません。これからは、「台風で出勤できないから何も仕事ができない」、「今日は出張だからメールが見られない」ではなく、「いつでも、どこでも、誰とでも、どんな状況でも、いつもと同じように仕事ができる」という選択肢を持つことが重要なのだと感じています。

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この1年で、東京都、長野県、茨城県、佐賀県、長崎県、浜松市等の職員の皆さんと働き方改革について意見交換する機会をいただき、どの自治体も働き方改革は避けて通れない重要なテーマとして位置づけられており、全国共通の解決すべき喫緊の課題なのだと改めて感じました。働き方改革といっても、テレワーク、ペーパレス、女性活躍、長時間労働の削減等、アプローチは様々であり、一足飛びには解決できないテーマだと思いますが、職員一人ひとりが「とりあえず印刷、念のため印刷をやめる」とか「机の上を片付ける」といった今すぐできるほんの少しの意識改革を行うだけでも、着実に働き方改革に繋がっていくのだと感じています。京都府に戻ったら、まずはそういったところから取り組みたいと思っています。

 

シスコから京都府へ

cisco-dispatched-10-changing-how-to-work-fig06本ブログも「シスコ派遣記」として、なんとか1年間で計 10 回連載させていただきましたが、有り難いことに社内外問わず、非常に多くの方にご覧いただくことができました。また、ブログがきっかけで初対面の方にお声がけいただいたり、地方自治体や関連企業の皆さんと意見交換させていただく機会に繋がったりと大変貴重な経験をさせていただきました。改めて、ブログや SNS による情報発信の必要性とその影響力を感じるとともに、引き続きこのようなご縁を大切にしていきたいと思っています。

3月末をもってシスコを卒業し、4月から京都府へ帰ります。たかが 1年もされど 1年だったと自信を持って言える刺激的で充実した 1年になりました。シスコで培った人脈や学びを糧に、失敗を恐れず、新しいチャレンジをすることで、府政に還元していきたいと思います。

お世話になりましたシスコの皆様、お仕事をご一緒させていただきました地方自治体や関連企業の皆様、そしてブログをご覧いただきました皆様、本当にありがとうございました。

 

シスコ派遣記、おわり

 

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4 Comments

  1. 籾井さん、たった一年とは思えないほどの業績と多くの学びの共有をありがとうございます。シスコで働く者として、籾井さんの新しい視点とそして籾井さんというお人柄は私たちに多くの気付きを与えてくださいました!籾井さんがシスコから学んだ以上に、私たち全員が籾井さんから多くのことを学ばせていただいたと感じています。本当にありがとうございました!引き続きのご活躍を楽しみにしています!!

  2. 1年間、シスコで刺激的な日々を過ごされたようで本当によかったです。
    早々にシスコのカルチャーに馴染み、オフィス内や社外を飛び回りながら、社内外の人たちと仕事をしている姿がとても印象的でした。
    10回に渡る籾井さんのブログは、近くにいる我々シスコ社員にとっても常に新たな観点での気づきを与えてくれ、改めて働き方改革の価値を見つめ返すことにつながっています。
    今後も共に日本ならではの新しい働き方を考え、推進していければと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

  3. 楽しみにしていた連載も今回が最終回とは、寂しい限りです。
    前回、我々の職場でも働き方改革がムーブメントになっていると申し上げましたが、これが単に一過性のもので終わるのか、本当に変わっていくのかは、本文中に籾井さんの指摘する「働き方を変えて何を生み出すのか」も含めて組織の隅々まで浸透させることができるかどうかによるのだろうと、ブログを拝読して感じました。
    まだ「働き方改革」の様式が配られた段階で中身はこれから、といった感じでしょうか。その「これから」を、籾井さんも中心となって進めていくことを楽しみにしています。私にできることがあったら何なりと!
    (追伸)
    ブログはどこかで続けてもらえませんか。

  4. 籾井さん、お疲れ様でした。
    籾井さんの感じられた事は、自治体様にとってとても貴重な情報だと思います。
    今後もその経験を是非活かして頂ければ嬉しいです。
    大変お世話になりました、今後もご活躍をお祈りしております。

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