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コンタクトセンター製品の最新版 10.0 がリリースされました(1)


2014年2月18日


昨年末に、シスコのコンタクトセンター製品群を含むコラボレーション製品の最新のメジャー リリース「Collaboration System Release 10.0」が出荷開始されました。今回から数回に分けて、最新の製品をご紹介していきたいと思います。

シスコには、3種類のコンタクトセンター向け製品の主なラインナップがあります。

  1. Cisco Unified Contact Center Express
  2. Cisco Packaged Contact Center Enterprise
  3. Cisco Unified Contact Center Enterprise

今回は一番上の Cisco Unified Contact Center Express を、次回は残り 2つの概要を紹介し、その次以降で各製品を詳しく掘り下げていきます。

 

Cisco Unified Contact Center Express

Cisco Unified Contact Center Express(Unified CCX)は使い勝手の良さを最大の特長とする all-in-one 型の製品です。インバウンド コール ルーティング、IVR(Interactive Voice Response)、CTI(Computer Telephony Integration)、アウトバウンド、Email、リアルタイム レポートとヒストリカル レポートを標準装備し、オプションで Web チャットと通話録音に対応しています。しかも、これら全てを 1 台のサーバに収めながら最大で 400 席まで対応可能なコンパクトさが売りです。

Release 10.0 の目玉は新たに導入された Open Social Gadget 式の CTI とリアルタイムレポートの Web への移行です。従来、Unified CCX は管理画面以外は CTI もレポートもクライアント/サーバ式のユーザ インターフェイスでしたが、Release 9.0 でヒストリカル レポートが Web へ移行し、今回 CTI とリアルタイム レポートも Web へ移行しました。エージェントもスーパーバイザも Web から利用できるので運用性が大きく向上しました。

同時に、CTI のカスタマイズが可能になりました。従来版では CTI ソフトフォンは製品標準のものしか利用できず、CRM 等とは簡易な連携手段を用意するのみでしたが、最新版ではソフトフォンを CRM 画面内に埋め込むなどの本格的なカスタマイズにも対応します。もちろん従来版にあった簡易な連携手段は引き続き Web 化された CTI でも利用可能です。

実は高機能な Unified CCX

冒頭に書いた通り、この製品は使い易さが一番の特長です。海外ではお客様自身が運用されることが多い製品でもあり、いたずらに製品を複雑にしないようシンプルさを大切に開発されています。しかし、実はかなり高度な機能が標準で提供されているのです。

標準装備の IVR は、GUI で簡単にコールフローを定義でき、コール ルーティングと音声応答のフローを一本のスクリプトで記述できます。しかも、外部の DB や REST API へアクセスしたり、音声認識サーバや音声合成サーバと連携したりできます。さらに VXML browser となって外部の VXML server から制御を受けたり、Java で開発したカスタム コードを実行したりと、本格的な IVR 専用製品と同レベルの機能を備えています。さらに興味深いのは、このコール フローが電話の着信だけでなく外部からの HTTP リクエストでも起動できるということです。もちろん、コール フロー上で取り扱った変数の値を CTI ソフトフォン上に表示したり CRM へ渡したりすることも標準機能で可能です。創意工夫で様々なことが実現できるのです。

上記の CTI と合わせて、あっさり使えば使い易く、使いこなせば奥が深いといえます。この特長のおかげで、近年売れ行きが伸びています。

Cisco Business Edition 6000

Unified CCX には Cisco Business Edition 6000 というパッケージがあります。これは、最大席数を 100 席に絞る代わりに廉価なハードウェアにまとめてお求め易くしたものです。廉価なハードと言っても、最大席数が限定されるだけで全ての機能が使えます。1RU サイズのサーバ 2 台(冗長構成)と 1RU サイズの局線ゲートウェイ 2 台(冗長構成)の合計 4RU のスペースで 100 席のフル機能コンタクトセンターが構築できるのですから、かなり魅力的と思います。

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今回は Unified CCX についてごく簡単にご紹介しました。次回は 1,000 席までの規模に対応する Packaged Contact Center Enterprise と 12,000 席まで拡張可能な Unified Contact Center Enterprise をご紹介します。

 

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