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IPv6 普及の実態


2013年7月30日


IPv6 が登場してから、すでに 15年以上が経とうとしています。日本は当初から IPv6 に積極的に取り組んできており、ソフトウェアの実装等の分野を中心に大きな成果をあげてきました。近年 IPv4 アドレスの枯渇が現実のものとなってくるにしたがって、 IPv6 の導入に関する議論もより現実味を帯びてきたと言われています。

2012年6月6日の World IPv6 Launchpopup_icon は、全世界の IPv6 利用環境に大きなインパクトを与えました。実際、Google の統計popup_iconを見てみると、このイベントを契機に IPv6 によるアクセス数が急増しているのがわかります。

Google - IPv6の採用状況

日本国内でもいくつかの通信事業者が World IPv6 Launch に参加し、大きくトラフィックを伸ばしました。しかし、キャリアや ISP が IPv6 に対応すれば、それだけで普及が進んだということにはなりません。

シスコ の統計popup_iconによると、日本の IPv6 普及状況は以下のようになっています。

Cisco IPv6 Lab: IPv6 Deployment

ネットワークの基幹部分に関する統計値は、他の国々と比較しても非常に良いものです。それに対してコンテンツや末端のユーザに関しては、あまり良い数字とは言えない状況です。これらは直接関係する事業者の問題ばかりとは言えないものですが、さらなる向上が期待されています。

日本国内で IPv6 の普及を図るために、各所で様々な取り組みがなされています。IPv6普及・高度化推進協議会では、日本国内に特化した普及度の統計作業を行っており、その結果を公開しています。

統計内容(http://v6pc.jp/jp/spread/ipv6spread2013.phtml)は、以下の 3つのカテゴリーに分かれています。

  • ウェブサイトの IPv6 対応状況
  • インターネットのバックボーンの IPv6 対応状況
  • アクセス網における IPv6 の普及状況調査

この中の「アクセス網における IPv6 の普及状況調査」は、IPv6 利用が可能な環境を持つ末端のユーザにひも付く指標です。これは、総務省の研究会での議論を踏まえて、多くの ISP が特別な申し込みを必要としないような IPv6 接続サービスを提供すると言われているなかで、これらの取り組みの成果が反映されるだろう指標になると期待されています。

さらに、国内ウェブサイトの IPv6 対応を促すためのイベントを企画してはどうかという意見も出されています。これらの取り組みが成果となって現れるのがとても楽しみです。

 

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